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    August 08

    ブルドックの買収防衛策の会計処理 続き

    引き続き、ネタ元はisologueです。
     
    結局、スティールパートナーズから買い取る新株予約権の消却は、特別損失にするみたいですね。
    何だか面白くない結果です。
    August 05

    国際基準と全面共通化

    今日の日経1面です。
    なぜか企業結合の処理について熱く語っている記事なのですが、日経は持分プーリング法が嫌いなんですか?
    持分プーリング法は理由があって残っているので、その辺りに目を向けずに、盲目的に外国は進んでるとか日本は駄目だとか、そういう自虐的な意見はどうかと思います。
     
    13面では、「あいまいな対等合併は許されなくなる」ということも書いてあるのですが、今の基準でも持分プーリング法を適用するにはかなり厳しいハードルがあるので、指摘されている「従業員の士気などに配慮して対等合併にこだわる」ような口だけ対等のケースでは持分プーリング法は使えません。
    逆に、口だけではなくて本当に対等の場合にも、無理やり「買収企業と被買収企業を区別することを迫られ」たのでは、それこそあいまいです。
    もちろん、全部分かった上で政治の話として持分プーリング法廃止を話すなら良いですが。
     
    また、のれんを償却しなくなれば費用負担が減って「新興企業などがM&Aをやりやすくなる」ということが書いてあります。
    これは短絡的な考えで、のれんを償却するかどうかでは費用負担が減るかは決まりません。
    のれんに配分する原価の範囲が問題です。
    これまで日本でのれんに配分されていた金額のうち、無形資産に配分する部分を増やせば、のれんが非償却でも、逆に費用負担は増えることになるでしょう。
    アメリカがこういう状況だと聞きますが…。
     
    もちろん、償却するかどうかが費用負担が大きいかどうかで決まるわけではなくて、そこにはちゃんと理屈があります。
    そういう理屈の部分だとか、のれんを裁量的に減損して利益操作をしやすいとか、色々問題はあります。
    あと、のれんの償却はCESRの同等性評価では指摘されていないのではと思うのですが…。
    日経がこんなにのれん非償却を推しているのに、FASBとIASBがのれんを償却する方に動いてきたりしたら、笑えますね。
     
    基準が共通化するのは利点もありますが、日本だけで活動している企業が圧倒的に多いですし、何に共通化するのかその内容が大事なので、何でも良いから共通化すれば良いという話でもありません。
    これからどうなるのでしょうか。
     
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    そういえば、昨日の朝だったか、すごい人を見かけました。
    おじいさんになる手前くらいの年配のおじさんのサラリーマンで、身なりはいわゆるクールビズで、鞄を提げていました。
    普通のサラリーマンなのですが、地面に目をやるとなぜか普通でないものが視界に入ります。
    そう、下駄を履いていました。
     
    最初は驚きましたが、わが道を行くそのスタイルに感動しました。
    それにもしかしたら空手の名手かもしれません。
    その後姿を名残惜しく思いつつ、僕は駅に向かいました。
    July 25

    ポイントの指針

    今日の日経夕刊1面ですが、IASBの関連組織がポイントの会計処理の指針をまとめたらしいです。
    日経のニュースは怪しいのが多いですが、今度は本当ですか?
    関連組織って何ですか?
     
    日本企業の損益に影響する可能性があるとういことですが、それは何でも可能性はあります。
    指針の内容は細かくは分からないですが、引当金と同じでは?という気もするので、影響はないのではないかと思います。
    ちょっと気にしてみます。
     
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    (追加)
    内容は読んでないですが、これみたいですね。
    July 10

    ブルドックの買収防衛策の会計処理

    元ネタはisologueの以下の記事です。
     
    ブルドックソース(B社)とスティール・パートナーズ(S社)の話です。
    S社がB社にTOBをしているのですが、B社が防衛策を導入していて、どうも発動されそうです。
    防衛策の概要ですが、B社が株主に新株予約権を割り当てて、S社以外の株主は株をもらえるが、S社の予約権だけはB社が買い取るというもののようです。
    isologueで色々と検討されていたのを読んで、面白そうな論点なので少し考えてみました。
     
    普通の新株予約権の会計処理は次のようになると思います。
    まず、新株予約権を発行すると、発行額で純資産の部に計上します。
    そして、自社の発行した新株予約権を取得すると、取得額が純資産の部のマイナスになります。
    その後、取得した新株予約権を消却(または失効)すると、発行額と取得額の差額が損益になります。
     
    これをB社の防衛策に当てはめると、S社から新株予約権を買い取ると、その支出額は損失になります。
    isologueでは、これが実質的には自己株式の取得であり、損失が出るのはおかしいのではと指摘しています。
    株主に新株予約権を割り当て、現金で買い取るという取引を考えると、実質的な配当が損益取引になってしまいます。
    配当や自己株式の取得は損益が出ない資本取引です。
     
    新株予約権の取引が資本取引なのか損益取引なのかは、議論があるところです。
    日本では損益取引になっていますが、その根拠は新株予約権者は株主ではないというところに行き着くと思います。
    株主に対する利益計算を行うことを前提にすると、株主との取引のみが資本取引となり、それ以外は損益取引になります。
     
    isologueの結論としては、①損益取引にすると利益操作ができる、②実質は株式分割+自己株式の取得である、ということで資本取引ということになっています。
    利益操作ができるというのは理由になるのか疑問ですが、②はその通りだと思います。
    個人的には、新株予約権を“株主”に割り当てていることから、この取引は株主との取引であり、資本取引とするべきだと考えます。
    なので、B社がS社に割り当てた新株予約権を取得したら、最終的には株主資本から直接マイナスになります。
    株主資本のどの項目を減額するのか問題になりそうですが、自己株式の取得と同じということでどうでしょうか。
    最終的に損益は出ないということでその点は良いとして、発行時や取得後消却や失効するまでどこに表示するのかというのも問題です。
    株主との取引と考えたら、最初から株主資本に表示することになるのでしょうか。
     
    取引相手が株主かどうかという点を根拠にすると、例えば得意先が株主だった場合に、その相手との取引を資本取引にするのかという話になるかもしれません。
    そうすると、株主としての地位に基づく取引かどうかというのが本当のポイントかもしれません。
    防衛策の新株予約権は、「株主」だからもらえるので、資本取引と考えるのが良いのではないでしょうか。
     
    ところで、今日の日経13面上の真ん中ですが、防衛策について「発動で赤字も」というくだりがあります。
    日経によると「損失処理が必要になる」ということで、損益取引に決まっているかのような書きぶりです。
    どういう処理になるのか、楽しみにしていましょう。
     
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    そう考えていたら、株主優待はどうなるのでしょうか。
    株主優待の支出は一般的には費用になっていると勝手に思っているのですが、これも資本取引かもしれないですね。
    防衛策も株主優待も、どこかに論文がないか探してみましょう。
    June 26

    シスコの公告

    今日は湿度が高くて汗ダラダラでした(´Д`;)
     
    新聞に決算公告が並んでいますが、前からずっと誰がこんなものを見ているんだろうと思っていました。
    多分誰も見ていないのではないでしょうか。
    意味ないですよ。
     
    そんなことを思いつつ、実は少し見てしまうんですね。
    名前を聞いたことがない会社とか、決算以外の見慣れない公告とか、チラ見します。
    今日発見したのは、シスコの組織変更公告です。
     
    今日の日経20面ですが、シスコが合同会社に組織変更すると公告がありました。
    シスコはこちら↓
    合同会社はこちら↓
     
    100%子会社だからできるのだとは思いますが、他の大きい会社も結構こいうことをやっているのでしょうか。
    誰か知っていたら教えてください。
    June 21

    欧州基準認める

    今日の日経夕刊1面です。
    アメリカで外国企業がヨーロッパ基準で上場できるようになるようです。
    本当ならヨーロッパの作戦が成功したということですね。
     
    今回は外国企業ですが、国内企業にも認めるという話も聞いたような聞かないような。
    それで、ヨーロッパでも国内企業にアメリカ基準を認めさせて、多分アメリカ基準を使う企業が続出して、国際会計基準を葬り去るという恐ろしい企みがあるとかないとか。
    基準の内容がどうという話ではなく、政治の話です。
     
    日本がどうなるかですが、3面によると孤立感が深まっているらしいです。
    誰が孤立感を感じているんですか?
    日経は無駄に不安を煽ってはいないでしょうか。
     
    国際会計基準という名前からして、いかにも一歩先を行っているかのような響きですが、必ずしもそんなことはありません。
    何でもかんでも丸呑みすれば良いという訳ではありません。
    日本企業が「海外での資金調達で不利になる懸念がぬぐいきれない」といっても、そもそも海外で資金調達している企業は一握りです。
    むしろそれ以外の企業への影響を考える必要があります。
     
    あと、3面の記事の最後に、「日本市場の魅力を高めるためにも」会計戦略を練り直す必要があるとあります。
    アメリカがヨーロッパ基準を認めたら、日本市場の魅力が下がったのでしょうか。
    ヨーロッパ基準でも日本上場できる気がするんですが…、どうでしょう。
    何だか話が一貫していない気もします。
     
    まあ、何にしろ政治的には上手く立ち回る必要があると思います。
    これからも動向に注目です。
     
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    これですかね。
    March 18

    会社更生法

    「華麗なる一族」が最終回でした。
    世の中不条理なことばかりですね。
    何事も思い通りにはいかないということでしょうか。
     
    見ていて気になったのが、会社更生法です。
    管財人が、「これから名前を読み上げる取締役を解任します。」といって、キムタクが解任されました。
    商法だと取締役の解任には株主総会の決議が必要で、管財人は勝手に取締役を首にできるのかという疑問を持ちました。
     
    しかもこの管財人、後でキムタクに「あなたはもうここの社員ではない。」といっています。
    取締役は"社員"ではないので、この管財人は商法の基礎的な知識もなかったのではないかと思います。
    こんな調子なので、取締役の解任の話も結構怪しいのではないかと思いました。
     
    なので調べました。
     
    ドラマの当時の法律は昭和27年法律第172号だろうと思います。
    この252条にこんな条文を見つけました。
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    (取締役等の変更に関する商法の規定の特例)
    第二百五十二条
    第二百二十条の規定により更生計画において取締役若しくは監査役の選任又は代表取締役の選定を定めたときは、これらの者は、計画認可の決定の時に選任又は選定されるものとする。
    2 第二百二十条の規定により計画において取締役若しくは監査役の選任又は代表取締役の選定の方法を定めたときは、これらの者の選任又は選定は、計画に定める方法によつてすることができる。この場合においては、商法第二百五十四条第一項(同法第二百八十条において準用する場合を含む。)(取締役、監査役の選任)及び第二百六十一条第一項(代表取締役の選定)の規定は、適用しない。
    3 会社の取締役、代表取締役又は監査役で、計画において留任することを定められなかつた者は、計画認可の決定の時に解任されるものとする。
    4 第一項及び第二項の規定により選任され、若しくは選定され、又は計画の定によつて留任した取締役、代表取締役又は監査役の任期及び代表取締役の代表の方法は、計画に定めるところによる。
    5 第二項の場合においては、取締役若しくは監査役の選任又は代表取締役の選定による変更の登記の嘱託書又は申請書には、計画認可の決定書の謄本又は抄本の外、その選任又は選定に関する書類を添附しなければならない。
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    つまりキムタクは更生計画で留任することを定められなかったという訳ですね。
    そして、更生計画について次の条文を見つけました。
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    (更生計画案の作成及び提出)
    第百八十九条
    管財人は、更生債権及び更生担保権の届出期間の満了後裁判所の定める期間内に、更生計画案を作成して裁判所に提出しなければならない。
    2 裁判所は、申立により又は職権で、前項の期間を伸長することができる。
    3 計画案の作成ができないときは、管財人は、前二項の期間内に、その旨の報告書を裁判所に提出しなければならない。
    (更生計画案審理のための関係人集会)
    第百九十二条
    更生計画案の提出があつたときは、裁判所は、その計画案を審理するため、期日を定めて関係人集会を招集しなければならない。
    第百九十三条
    前条の関係人集会においては、更生計画案の提出者から計画案につき説明を聞いた上、裁判所は、管財人、会社、届出をした更生債権者及び更生担保権者並びに株主から計画案に対する意見を聞かなければならない。
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    管財人が計画案を作ったとして、193条によると裁判所は会社にも意見を聞かないといけないということで、つまりキムタクは自分が解任されることをこの時知っていたということでしょうか。
    それに、管財人が帝国製鉄の所長と知らされて驚いた直後に解任の話になっていますが、既に管財人が誰か知っていたはずの気もします。
     
    せっかくなので、今の会社更生法も調べました。
     
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    第二百十一条  第百七十三条の規定により更生計画において取締役、会計参与、監査役、代表取締役、各委員会の委員、執行役、代表執行役、会計監査人、清算人又は代表清算人の氏名又は名称を定めたときは、これらの者は、更生計画認可の決定の時に、それぞれ、取締役、会計参与、監査役、代表取締役、各委員会の委員、執行役、代表執行役、会計監査人、清算人又は代表清算人となる。
     第百七十三条の規定により更生計画において取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人の選任の方法を定めたときは、これらの者の選任は、更生計画に定める方法による。
     第百七十三条第一項第二号、第三号若しくは第七号又は第二項第二号の規定により更生計画において代表取締役、各委員会の委員、代表執行役又は代表清算人の選定の方法を定めたときは、これらの者の選定は、更生計画に定める方法による。
     更生会社の従前の取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人は、更生計画認可の決定の時に退任する。ただし、第一項の規定により引き続き取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人となることを妨げない。
     前項の規定は、更生会社の従前の代表取締役、各委員会の委員、代表執行役又は代表清算人について準用する。
     第一項から第三項までの規定により取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人に選任された者の任期及びこれらの規定により代表取締役、各委員会の委員、代表執行役又は代表清算人に選定された者の任期は、更生計画の定めるところによる。
     
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    結局同じで、取締役は更生計画で定められない限り首になるということですね。
     
    さて、もう一つ気になったことがあります。
    阪神銀行が阪神特殊製鋼に管財人を送り込んで訴訟を取り下げさせた訳ですが、こんなことできるんですか?
    知識がなくて、何の法律を調べてよいのやら全く想像がつかないのですが、どうなのでしょうか。
    訴訟の取り下げには裁判所の許可が必要で、そこで歯止めがあるということでできてしまうとか、そういうことでしょうか。
     
    こんなことを考えていました。
    法律の専門家ではないので、何の基礎知識もなく適当に調べてみただけです。
    特に訴訟の手続きに関する事等は、全く知りません。
    もしかしたらとんでもない思い違いをしているかもしれません。
    そんな場合は、ぜひ指摘してもらえると嬉しいです。
    April 20

    クリーンサープラス及びわが国と日本

    今日はすごい天気でした。
     
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    ゼミでは、クリーンサープラスについて、新しい発見をしました。
    “サープラス”って、剰余金という意味だったんですね。
    今までそんなことを意識したことはありませんでした。
     
    そう考えると、日本では資本直入項目があるからダーティーサープラスだといわれているのも、必ずしも正しくはないといえます。
    資本直入項目は、資本直入項目であって、剰余金ではありませんね。
    剰余金(利益剰余金)の増加は、常に純利益を経由して起こります。
    日本でもサープラスはクリーンなんです。
     
    もちろん、純資産のうち払込資本を除いた部分を剰余金と定義すれば、ダーティーサープラスです。
    しかし、その場合でも、包括利益を考えれば、クリーンサープラスです。
    株主資本と純利益、純資産と包括利益、クリーンサープラスは2種類あるようです。
     
    ・・・・・・・・・・・・・・・
    もう1つ、ずっと前から気になっていたことがあります。
    それは、「わが国」と「日本」です。
    他の分野ではどうなのか知りませんが、会計だと何かと「わが国」という表現が多い気がします。
    他の国の制度との比較の場面などで、日本の制度に言及する際、よく「わが国の会計制度」だとか、「わが国では~」とか、そんな書き方がされています。
    会計基準では、当然のように「わが国」と表現されています。
     
    これについて、前々から何で「わが国」なんだと思うことが多かったです。
    「日本」でいいじゃないかと思うのです。
    確かにその通りで、人によっては「わが国」ではなく、上に挙げたような場面で「日本」と書いている人もいます。
     
    少し前の日経新聞に、「国語」と「日本語」に少し言及した文章がありました。
    国語学会が日本語学会に改称したということです。
    確かに、2004年1月に改称と書いてあります。
    文章では、世界の中の日本語として、客観的相対的に位置づけるとか、多分そんな感じでした。
     
    「わが国」で悪いとはいいませんが、個人的には「わが国」は好きではなくて、書くときは「日本」と書いています。
    これからの時代、世界の中の日本という視点を強調するためにも、「わが国」ではなく、「日本」とした方が良いのではないかと思ったりします。
    「日本」と書く理由を考えれば、一応こんな感じでしょうか。
     
    企業会計原則の設定についての書き出しが、「わが国の企業会計制度は、欧米のそれに比較して改善の余地が多く、且つ、甚だしく不統一であるため、企業の財政状態並びに経営成績を性格に把握することが困難な実情にある。」となっています。
    国の発展を考えたとき、「わが国」という表現で帰属意識を強調することは、政策的に意味があるとは思います。
    その意味で、会計基準で「わが国」と使われているのは、分かる気もします。
     
    とにかく、「わが国」という表現が、会計に限らず、どのような使い方をされてきたのか良く知らないため、これ以上は何ともいえません。
    「わが国」の起源だとか、「わが国」や「日本」と表現することの効果だとか、会計理論とは関係ないことなのでしょうが、いろいろと気になります。
    June 05

    ゼミで討論したこと

    ゼミで討論したことを、忘れないうちに書いておこうと思います。

     

    ・・・・・・・・・・・・・・・

    ・利益配当

     配当規制は、利益に基づくべきか

     

    ・財務会計の目的

     情報の非対称性

     投資意思決定、経済的意思決定

     様々な目的がある中での投資意思決定を中心した体系化

     

    ・財務会計の機能

     利害調整機能、情報提供機能、意思決定支援機能、契約支援機能の関係

     

    ・会計制度

     証券取引法、商法、税法と会計の関係

     

    ・財務諸表の構成要素

     現金が増えることと、資本が増えることの関係

     

    ・貸借

     左が借方で、右が貸方の理由

     

    ・利益計算の方法

     ダムやエレベーターを例にした損益法、財産法の説明とストック評価

     

    ・利益計算の歴史

     収益費用アプローチ、資産負債アプローチ、損益法、財産法、動態論、静態論、誘導法、棚卸法の関係

     

    ・会計規制

     会計規制は必ず必要か

     経営者はほっておけば情報公開するのか、それとも強制的に公開させるのか

     

    ・会計基準の作り方

     帰納、演繹とは何か

     桜井教授は演繹的という言葉がとても好きで頻繁に使うが、それが意味するところは実は帰納ではないか

     会計基準を演繹的に作ることはありえない

     社会科学の法則は演繹的ではありえない

     

    ・会計公準

     会計公準とは何か

     

    ・理論と原則

     会計理論と会計原則の関係

     会計がどうあるべきかは会計理論ではない

     会計理論があって会計原則があるわけではない

     

    ・会計主体論

     資本主理論、企業主体理論で会計処理が変わるか

     

    ・実現主義

     実現の2要件(①引渡し②対価)の関係、①だけで十分ではないのか

     実現主義と資産評価の関係

     実現主義と利益計算の関係

     資産評価と利益計算の関係

     売買目的有価証券が時価評価される理由

     その他有価証券が時価評価される理由

     有形固定資産が原価評価される理由

     

    ・発生主義会計

     発生主義会計とは何か

     

    ・企業価値評価と会計情報

     発生主義会計、全面公正価値会計

     

    ・資産負債アプローチ、収益費用アプローチ

     2つの収益費用アプローチ、2つの資産負債アプローチと概念の混乱

     

    ・キャピタルゲイン、インカムゲイン

     キャピタルゲインとインカムゲインで税率が異なる理由

     

    ・取得原価、取得価額

     取得原価と取得価額の違い

     

    ・時価ヘッジ、繰延ヘッジ

     何が違うのか、どちらがいいのか

     

    ・リサイクリング

     リサイクリングとは何か

     リサイクリングは必要か

     リサイクリングと洗替えの関係

     

    ・キャッシュ・フロー計算書

     直説法、間接法どちらがいいのか

     

    ・・・・・・・・・・・・・・・

    書き出してみると、結構たくさんあるものです。これらのことについて何か意見がある人や、これらのことについて知りたい人は、ぜひコメントお願いします。これから書く文章のネタにしようと思います。

    May 14

    会社の所有者について

    何か書こうかと思ったのですが、眠くて面倒くさいので、ちょっと適当に。

    前に、会社の所有者は誰かみたいな事を書いたのですが、その関連です。

    いつも見ている47thさんのブログに、以前記事があったので、それを貼っておきます。

     

    http://blog.drecom.jp/fallin_attorney/archive/152

    http://blog.drecom.jp/fallin_attorney/archive/153

    http://blog.drecom.jp/fallin_attorney/archive/155

     

    今日はこんなところで。

    April 24

    財務会計の機能

    今年一回目のゼミで、財務会計の機能について話し合いました。

    今年のテキストは、神戸大学の桜井久勝教授の「財務会計講義第6版」で、その第一章が「財務会計の機能と制度」だったからです。

     

    よく、財務会計には、情報提供機能と利害調整機能があるといわれます。

    簡単にいうと、情報提供機能とは、投資者の意思決定に有用な情報を提供する機能です。最近では、個人でも株を買う人が多いですが、そのためには企業が儲かっているのかどうか知ることが少なからず必要です。そんな時に財務諸表を見て企業の状況を知ることができます。これが情報提供機能です。

    そして、利害調整機能とは、企業の利害関係者の利害対立を解消・調整する機能です。株主は、経営者が適当な経営をしていないかチェックしたいです。そこで、財務諸表を見て、しっかり経営しているかチェックします(これは、情報提供と同じような気もしますが)。また、配当規制・課税・金融規制など、財務諸表に基づく規制がたくさんあります。これが利害調整機能です。

     

    それはそうなのですが、テキストにこんな記述がありました。

    「したがって企業は、これらの法的制限や私的な契約を遵守していることを明らかにすることを通じて、株主と債権者の利害を調整するためにも、損益計算書と貸借対照表を作成することが不可欠である。」19ページ17行目

    これは、利害調整機能を果たすために財務諸表を作成することが必要だという意味です。

     

    これには、少し引っかかることがあったので、ゼミ中に突っ込みました。

    なぜかというと、この説明では「利害調整機能→財務諸表」という流れになっているのですが、実は「財務諸表→利害調整機能」ではないのかと思ったからです。

    企業の利害関係者の利害調整をするために財務諸表が必要なのではなく、財務諸表があるからこそそれに基づいて利害調整が行われるのではないかということです。

     

    現実問題として、財務諸表に基づいた様々な規制が存在する現状では、それらの規制の実効性を確保するために財務諸表を作成することが必要です。

    しかし、それらの規制がそもそもなぜ生まれてきたかといえば、それは財務諸表が存在したからではないでしょうか。

     

    法律などの社会的な規制には、社会的なコストを減らす側面があります。何も社会的な決め事がない場合、契約に際してとんでもなく細かいことまで交渉して、分厚い契約書を作成する必要が生まれます。しかし、法律などの社会的な規制が存在することにより、契約者間で細かいことまで決める必要がなくなり、コストが減ります。

    例えば債権者保護についても、何も決まりがなければ、債権者が企業に資金を貸す場合に、資金の回収を確実にするため、様々な取り決めが行われ、分厚い契約書が作成されるはずです。しかし、多くの人々が資金の貸借に際して、延々と交渉するのは社会的にはマイナスです。そこで、それらの契約に共通する部分を法定することで、社会的なコストを減らすことができます。

     

    財務諸表に基づく利害調整も、こんな経緯で生まれたと考えられます。

    しかし、例えば債権者が企業に資金を貸す場合に、「損益計算書はこう作って、貸借対照表はこう作って、配当はこの数字からこう計算して、これが限度額ね。」なんていう契約はされるとは思えません。

    百歩どころか千歩くらい譲って、もしこんな契約がされるのであれば、これを帰納的に集約したものとして配当規制を位置づけることができます。そして、それは「利害調整機能→財務諸表」の流になります。

     

    ところが債権者は、資金の回収を確実にするために通常担保を取ります。財務諸表数値に基づいて配当限度額を定める単純な配当規制は、資産代替リスクに対応していない点で担保に劣ります。そのため、利害調整のために財務諸表や配当規制が生まれるとは考えにくいです。

    百歩譲って、会社財産の流出を制限する配当規制という概念が生まれたとしても、それが財務諸表に基づく必要性は必ずしもありません。そのため、利害調整から財務諸表が生まれたとはやはりいえないと思います。

     

    最も納得できる説明は、契約を結ぼうとした時に、既に財務諸表(またはその前段階としての簿記)が存在していたというものです。これなら、財務諸表に基づいて契約が結ばれるのも説明が付きます。そして、財務諸表に基づいた様々な契約を帰納的に集約したものとしての配当規制が誕生したわけです。

    配当規制に限らず、様々な利害調整のために財務諸表に基づいた契約が結ばれますが、これも全て財務諸表が存在するから可能になっています。そして、これが「財務諸表→利害調整機能」の流れです。

     

    テキストの記述は、どこまで考えて書いてあるのか知りませんが、こんな事を考えたため、突っ込みました。

    ただし、個人的な勝手な妄想のため、正確性は保証しません。もし、ここに書いた内容が間違っていて、「てめー!何嘘書いてんだ!」とか、そんなに怒らなくても、何か意見があったら、ぜひコメントをください。

    February 27

    株式会社と株主 その3

    今回は、株主が形式的にも会社の所有者とはいえないことについてです。

    実は昨日弟に、「その1はがんばって読んだけど、その2は長くて飽きたから途中で読むのやめた。」といわれました。残念。

    でも確かに、興味のない人にとってはこんなのはどうでもいい話ですね。

     

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    株式会社と株主 その3

    「株主の形式的非所有者化」

     

    株主は、形式的に会社の所有者といえるなどと書きましたが、実は形式的にも所有者とはいえないということもいわれています。

     

    端的な例として、アメリカの代表訴訟が挙げられると思います。

    代表訴訟とは、株主が会社に代わって経営者の責任を追及する制度です。経営者が不正をして会社に損害を与えても、会社の役員同士でかばいあって責任を追及しないことがあるため、株主が代わりに訴えるというわけです。

    株主に提起権が与えられているのは、株主に議決権が与えられているのと同じ理由によると考えられます。つまり株主のリスクが大きいからです。

     

    しかしアメリカでは、訴訟委員会制度というものがあって、株主が代表訴訟を起しても、強制的に棄却させることができます。なぜなら、訴訟の結果経営者が会社の損害を賠償しても、訴訟を起すことによって会社にさらに大きな損害が発生するなら、そんな訴訟はしないほうがいいからです。

     

    ここで問題になるのが、なぜ訴訟委員会で株主の訴えを強制棄却できるのかです。

    日本では、株主総会が何といっても一番偉いので、経営者が何か会社に不都合なことをしても、株主がOKといえばそれまでです。極端な話、経営者が会社に損害を与えて、ほかの役員が全員その責任を追及するのに賛成でも、株主が「そんなのどうでもいいよ。訴訟なんて面倒くさいから、許してあげる。」なんてことをいったら、それはそれでOKになる可能性があります。しかし、逆に株主が、「経営者の馬鹿野郎!訴えてやる!」といっているのに、役員が反対したら訴訟がなくなるということは考えられません。

     

    これに対しアメリカでは、株主の意思ではなく、取締役の意思によって代表訴訟が決定される制度が現実に存在します。これはなぜでしょうか。

    結論をいえば、「代表訴訟は、取締役の固有権だから」です。日本では、代表訴訟提起権は、まぎれもなく少数株主権の一つなのですが、アメリカでは取締役の権利なのです。不思議ですね。

     

    実はこれは、株主が無能であることを制度的により認めたためです。日本でも、株主には会社経営の能力や関心がないことを前提に、所有と経営を制度的に分離しているわけですが、それでも株主の中には有能な人がいるだろうということで株主に権利が与えられ、株主が経営者の監視をしています。しかし、アメリカでは、株主よりも専門能力がある取締役が経営者の監視をしているので、無能な株主にそんな権利は与えなくてもよくなってしまうのです。

    日本でも、委員会等設置会社では利益処分権が取締役会に与えられていますが、これと同じような感じですね。

     

    とすると、株主は会社に対してより第三者的な位置に置かれることになります。第三者が所有者ということはありえないので、つまり株主は会社の所有者ではないということになります。これは形式的にも所有者でないということです。

     

    もう一つ、株式の多様化があります。

    最近では、法改正により、ほぼどのような内容の株式でも発行することができるようになりました。この株式の多様化により、株主という法律的地位にある主体の権利内容が多様化し、一口に株主といっても実質が天と地ほども異なる主体が存在することになりました。つまり、株主だからといって、必ずしも形式的所有権を有するとは限らないということです。

     

    前に、形式的所有権の根拠として議決権を挙げましたが、現在では、議決権を制限した株式の発行が可能です。完全に議決権のない株式の発行も可能です。議決権がなければ、形式的にも所有者とはいえません。

     

    また、議決権が株主に与えられる根拠としてリスクの大きさを挙げましたが、これも現在の法律だと少し怪しくなる可能性があります。なぜかというと、株主は確かに債権者と比べるとリスクが大きいのですが、株主の内部では、リスクの大きさと議決権に関連はありません。つまり、配当優先株式に議決権を付し、配当普通株式に議決権を付さないということが可能です。ただし、こんな株式を引き受ける人は、それを承知で引き受けるので、それはそれで問題ないとはいえるかもしれませんが。

     

    ほかにも、経営者の判断基準との関係で問題があります。経営者は株主利益最大化を基準に経営判断を行うことになるのですが、株主が多様化したため、判断が難しくなる可能性があります。

     

    株式の多様化に関して、議決権以外によくいわれるのが、非参加型・累積型・配当優先・償還・議決権完全制限株式≒社債だということです。株式と負債が接近して、株主と債権者の境目が実質的になくなっています。ほかにも新株予約権など、その位置づけが難しいものは多いです。結局は、株主とは何かといえば、法律上株主とされている者みたいな循環論的な理解しかできないかもしれません。

     

    書いているうちにまとまりがなくなってきましたが、いいたいことを強引にまとめると、株主は一般に会社の所有者であるとは形式的にもいえません。制度的にも株主が会社に対してより第三者的な位置に置かれるようになっています。また、株主の内容が多様化しています。

    もちろん、株主には会社の所有者といえる実質を伴った人もいるのですが、株主に限らず、会社を実質的に支配していれば所有者といえるので、やはり株主が一般に所有者だとはいえません。

     

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    「株式会社と株主」は今回で一応終わりです。全体的にいっていることが一貫していないような気がしなくもないですし、結局何がいいたいのか自分でも分かっていない可能性も否定できませんが、その辺はうまく解釈してください。また、素人が書いたことですので、内容の正確性は保証しません。

    何か思うことがあった人は、ぜひコメントをください。

     

    そのうち気が向いたらこれに関連した会計の話を書いてみようかと思います。

    February 20

    株式会社と株主 その2

    今回は、議決権です。

     

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    株式会社と株主 その2

    「株主が議決権を持つ理由」

     

    株主が会社の形式的所有者であるといわれることの最も大きな要因は、議決権を持つことだと考えられます。株主が経営者の選解任権を持つからこそ、実質は別にして、会社を自由に操れる地位にあるのです。では、なぜ株主に議決権が与えられているのでしょうか?

     

    これは、歴史的にはそれなりに説明ができると思います。なぜなら、会社は積極的にお金儲けをしようとする人々の集団として発達してきたからです。このような人なら、自ら経営に関わっていくのは当然なので、この集団の発展形態としての株式会社においても、株主に議決権があるのは当然だといえます。

     

    では、株式会社が置かれている社会的状況に照らすと、株主が議決権を有するのは当然といえるのでしょうか?言い換えれば、株主が議決権を有することの理論的な理由付けは可能なのでしょうか?

    これについては、決定的な見解はありません。しかし、一つ挙げるとすれば、株主のリスクを理由とする見解があります。株主は、会社の業績により多く配当をもらえることもあれば、少ないこともあり、最悪無配当の可能性もあります。このようにリスクが高いため、その見返りとして議決権が与えられるというわけです。議決権を得て自ら経営に影響を与えられれば、株式会社に出資するリスクが減り、社会の遊休資本を集積して大規模事業を行う株式会社という制度が成り立ちやすくなるのです。

     

    しかし、株式会社において大きなリスクを負うのは、何も株主だけではありません。株主以外では、従業員もリスクが大きいです。むしろ、従業員は株主よりも大きなリスクを負う可能性があります。リスクを理由とすると、当然従業員にも議決権を与えるべきですが、日本では与えられていません。世界的には、ドイツの例が有名だと思います。

    ドイツでは、経営者を選任する監査役会に、株主代表のほか、従業員代表が参加します。そして株主と従業員の意向によって経営者が選ばれることになります。聞くとなかなか良さそうな制度に聞こえるのですが、実際のところあまりうまく動いていないそうです。ドイツの場合、経営者には、自らを選任した株主と従業員の両方の利益を図る経営を行うことが求められるのですが、どうもこれが難しいようです。

     

    ほかにも、アメリカのニューヨーク州法では、過去に社債権者に議決権が認められた例もあります。これからも分かるように、議決権は株主だけにしか与えてはいけないものではないのです。従業員にも、債権者にも与えることが、立法政策的にも可能なのです。これは、株式会社が、もはやお金儲けをしたい人々の集団ではなく、全社会的な存在意義を持った存在になっているためだと考えられます。

     

    現実問題として、現在の経済活動の多くは株式会社によって行われており、株式会社がなくなったら世の中が立ち行かなくなります。この世の中に、株式会社制度の恩恵を受けていない人はいません。このような社会的な存在としての株式会社を考えた時、その経営に参加するべき主体としては、先に挙げた株主・従業員・債権者のほかにも、取引先・消費者・地域住民・地方公共団体など様々に考えられます。

     

    結局のところ、全ては程度問題です。株式会社の利害関係者は様々です。多くの利害関係者のうちどの範囲まで経営に参加させるかは、様々な要因を考慮して政策的に決定されることになるのです。

     

    では、現行制度上、株主に議決権が与えられているのはなぜか?これは、これまでの議論から明らかになったように、政策的な判断の結果です。

     

    株主に議決権を与えると、経営者は株主の利益を図る経営を行うことになります。いわゆる「株主利益最大化の原則」などといわれるものです。

    これについては、株主は債権者に劣後する請求権を持つため、株主の利益を最大化すれば、債権者と株主の利益が共に図られると説明されることがあります。確かに、商法上は利害関係者として株主と債権者が想定されているため、これにより関係者全体の利益が図られることになります。しかし、先に述べたように、従業員などほかの利害関係者も多くいます。株主の利益を最大化することは、従業員などほかの利害関係者の利益を図ることには必ずしも繋がりません。

     

    では、従業員などにも議決権を与えればよいのか?実はそうでもありません。ドイツでは経営者に従業員の利益も図らせようとしていますが、あまりうまくいっていません。これは、経営者も人間なので、能力に限界があるからです。様々な利害関係者がいれば、利害関係者同士で相互に利益が相反することがあります。例えば、株主と従業員の利益が対立する時に、経営者はどのような判断を下せばよいのか、難しい決断を迫られます。これでは経営の効率性が損なわれてしまうのです。

     

    以上の議論をまとめると、株主に議決権が与えられていることは、ある程度合理的であるといえます。

     

    ①資金調達

    株式会社は、大量の資金を集め大規模事業を行うための仕組みです。しかし、株主はリスクが高いので、そのままでは出資をためらう可能性があります。ここで、株主に議決権を与えることには、株主のリスクを軽減し、資金調達を容易にする効果があります。これにより、株式会社制度が成り立ちやすくなります。

     

    ②経営効率化

    経営者は、自らを選任した利害関係者の利益を図る経営を行うことになります。しかし、社会的存在としての株式会社においては、多くの利害関係者が存在するため、その全ての利益を図るのが最も望ましいはずです。ところが、多くの利害関係者の利益を同時に図らなければならないのでは、経営が非効率的になってしまいます。そこで、経営の効率化を考えた場合には、単一の利害関係者にだけ議決権を与えるのが合理的です。

     

    この2つの要請を同時に満たすには、株主のみに議決権を与えるしかありません。

     

    株主に議決権が与えられているのは、合理的な理由によることが分かりました。しかし、1つ注意しなければならないことがあります。

    株主のみに議決権が与えられる結果、経営者には株主利益最大化が求められます。しかし、経営者は株主の利益だけを図ればいいわけではありません。株主利益最大化は、経営効率化のための経営判断の基準であり、次善の策です。株主の利益を図らない経営は確かに問題ですが、株主だけの利益を図る経営も問題です。

    ただし、株主の利害と、その他の利害関係者の利害は、実は基本的には一致します。会社の業績が良ければ、利害関係者はみんな幸せなはずです。株主の利益が最大になるということは、会社の業績が良いということで、そうであれば従業員やその他の利害関係者の利益も図られているということになります。

    もちろん、場合によっては利害対立が発生するので、商法やその他様々な法律で、利害対立を解決する対策がなされています。

     

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    株主に議決権が与えられているのは、合理的な理由によります。しかし、株主利益最大化の原則は次善の策です。このことをよく理解して、株主だからといって威張りすぎないようにしましょう。

     

    February 13

    株式会社と株主 その1

    今回は、自分の頭のなかを整理する意味も込めて、少し真面目な話を書いてみました。

    名付けて、「株式会社と株主」です。これから3週くらいはこの話が続く予定です。

     

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    株式会社と株主 その1

    「株主は会社の所有者か?」

     

    株主は会社の所有者か?

    これは昔から議論されてきた大きな論点です。

     

    そんなの常識じゃないか!なんていってはいけません。

    現在の通説は、「株主は会社の所有者ではない」に移っています。

    一昔前は、何の断りもなく、ただ「株主は会社の所有者だから~~~」と議論する人も多くいたようですが、現在では、若い会社法学者の間では特に、「株主は会社の所有者ではない」という考えが主流です。少なくとも、議論に際して株主が会社の所有者であることを大前提にするのではなく、何かしら言及するのが通常です。

     

    以上の話は、僕が大学の新進気鋭の会社法学者K先生の研究室まで乗り込んで聞いてきた話です。

    自分自身以前は漠然と、「株主は会社の所有者なのね」と思っていたので、これは相当衝撃的でした。ただし、話を聞いてみれば確かにそうかもしれないと思わせられることではあります。卒論もこの話から考え始めたようなところもあります。ただ、卒論ではこの話には一言も触れていませんが。

    では、実際のところどうなのか、自分なりに少し考えてみたいと思います。

     

    所有権

    所有権とは、一般に、ある物を自由に使用・収益・処分できる権利のことです。

    株主が会社の所有権を持つなら、株主は会社の所有者といえます。ただし、会社はその辺の物とは少し違うので、実質的に判断することになると思います。

    例えば、会社の個人オーナーは、自分の好きなように会社を動かせ、儲けは自分のものになり、会社を売るなり解散するなり自由にできるので、会社の実質的な所有者だといえます。

    しかし、いわゆる上場企業のような大規模な会社では、一般に各株主の持ち株比率は小さいため、各株主は所有者たる影響力を会社に対して持ちません。また、そもそも会社経営に関心がなく、最初から会社に影響を与えようとしないことも少なくありません。この場合は株主を会社所有者とはいえないでしょう。

    このように考えると、株主は一概に会社の所有権を持つとはいえないことになります。

     

    所有と経営の一致

    所有と経営の一致とは、株主が会社の経営者になっていることです。

    この言葉遣いからは、「株主が会社の所有者である」ことが前提になっていることが明らかです。

    所有と経営が一致していれば、先に挙げた個人オーナーと同様なため、株主は会社の実質的な所有者だといえます。

    中小企業ではこの傾向が強いです。

     

    所有と経営の分離

    所有と経営の分離とは、株主は会社所有者であるけれども、経営能力がないため、経営は専門家に任せているということです。

    株式会社では、制度的に所有と経営の分離が図られています。

    所有と経営の分離には、株主が経営者に対し十分に影響力を持つ場合(所有と支配の一致)と、株主の影響力がなく経営者が会社を実質的に支配している場合(所有と支配の分離)があります。

     

    所有と支配の一致

    所有と支配が一致していれば、株主は会社を好きなように操れるので、実質的に所有者であると言って差し支えないと思います。

     

    所有と支配の分離

    この場合には、株主は経営者に対して影響力を持たないため、所有と支配が一致している場合のように株主が実質的に所有者だとはいえません。

    では、ここで株主が会社所有者であるというのはどういうことでしょうか。

    これは、株主が、制度的に経営者の選解任権を持つため、形式上一応は所有と支配が一致することが想定され、会社所有者たるべき地位にあるという意味だと考えられます。

    制度的・形式的には、実質的に所有権を有すべき地位にあるということです。

     

    さあ、ここまで考えてくると、少し分かったような気分になります。

    独断と偏見でまとめると、株主が会社の所有者かどうかといった場合の「所有」には2つの意味があります。

    一つは正に「実質的な所有権」の意味での所有です。そしてもう一つは「制度的・形式的に、実質的な所有権を有すべき地位にある」という意味での所有です。便宜的に前者を実質的所有、後者を形式的所有と呼びたいと思います。

    形式的所有の意味で所有といった場合には、株主は会社の所有者です。

    しかし、実質的所有の意味で所有といった場合には、株主は会社の所有者である場合とそうでない場合が考えられます。つまり、所有と支配が一致していれば所有者であり、分離していれば所有者ではありません。

     

    法律は実質を重視する学問であるため、この2つの「所有」のうち問題とされるのは、もちろん実質的所有の意味での所有です。そして、現実に多くの上場会社では所有と支配が分離しているのが通常であることをとらえて、「株主は会社の所有者ではない」といわれているのだと思います。

     

    しかし、実は最近では、株主は形式的にも会社所有者とはいえないということもいわれています。これについては、また後で書こうと思います。

     

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    なぜこんなことを会計の話題として書いたかというと、どうも会計学者は株主が会社の所有者であることを大前提にしているらしいからです。これについては、「所有」の意味や、関連した会計上の問題などがいろいろとあるのですが、よく考えてからまた後で書こうと思います。